父と法と倫理

原初の風景
そこに父と母と子がいる
母は子が自分の子であることに疑問はない
父は疑問を抱いてもおかしくない
顔かたちが似ているとしても
自分の弟との間の子供かもしれないではないか

そこで父は
法、倫理、社会規範、良心、正義、
そうした自分が父であることにまつわるあれこれを代表するようになる。

母はただ母で
おっぱいをあげていれば
全幅の信頼が返ってくる。
至福である。

子は後に問う。
わたしは誰?

それは母の子であることはいいとして、
父は誰なのか知りたいという欲求である。

そしてここで法と倫理が機能する。
お前は父の子である。その歴史はこうである。
歴史のパースペクティブの中で、わたしは誰?の問いに答えが与えられる。