飽衣飽食飽性

豊かな時代といわれ心の時代と言われる

満たしたい欲求といっても
衣食住は満たされているし
性の欲求も満たされている
飽衣飽食飽性である

あと残る欲求は
自己愛とか自己実現とかくらいしかないような時代に私たちは生きている

しかしその部分が厄介である

自己愛とか自己実現は具体的な数字に置き換えられるものでもなく
誰かの巧みな宣伝によりいくらでも需要の創造ができる
不安と焦燥を創出できる
イメージのインフレーションである

さらに進んで
衣食住性も 実体のないイメージの売買になってしまうこともある
ブランド物というものがその例である
実体がないことは
最近産地偽装などで騒がれ
いったいどこ産の何を食べているのか分からない状態で
舌は判別できず嘘の情報だけが流れる

お前の舌は嘘で充分と言われているようで
しかし結局嘘で充分なのだった

食べ物であれば
本気になって追跡すればもともとどのようなものなのか実体を把握できる
しかし
自己愛とか自己実現とかの領域については
そのようなわけにもいかない

実際に人生にぜひ必要なものはそんなには多くないのだと思う