強迫性傾向+マゾヒズム+教養主義的宗教

私は地獄がなければならぬと思います。
その時に、同時に必ずその地獄から免れる道が
無くてはならぬと思うのです。
それでなくてはこの世界がうそだという気がするのです。
この存在が成り立たないという気がするのです

私はどんなに親しくその人たちをながめたろう。
皆許されねばならないような気がした。
世の相をあるがままに保っておくほうがよいという気がした。
「このままで、このままで」と私は心の中に叫んだ

聖者とは
罪の感じの人並みすぐれて深い人のことを言うのだよ

仏様のお慈悲は
罪人としての私たちの上に雨とふるのだ。

なにもかもよかったのだな。
わしのつくったあやまちもよかったのだな。
わしに加えられた傷もよかったのだな。
ゆきずりにふと挨拶をかわした旅の人も、
何心なく摘みとった道のべの草花もみなわしと
はなれられない縁があったのだな。
みなわしの運命を成し遂げるために役立ったのだな

人間の純な一すじな願いをつき詰めて行けば、
皆宗教的意識にはいり込むのだ

恋するとき人間の心は不思議に純になるのだ。
人生のかなしみがわかるのだ。
地上の運命に触れるのだ

わしは今日までさまざまの悲しみを知って来た。
しかし悲しめば悲しむだけ此世が好きになる

『出家とその弟子』倉田百三

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強迫性傾向+マゾヒズム+教養主義的宗教

強迫性傾向+マゾヒズムは王貞治と同じ(私の内部のイマジナリーな像として)