心理的距離

現代が心理的にどのような環境であるかを考えると、
他人との距離がどのくらいかが問題になる。

昔ならば他人と1メートルの範囲にいれば1メートルの関係だっただろう。

いまはそうでもない。
他人と電車で1メートル、映画館のシートで1メートル、そんなことはいくらでもあるが、
心理的にはずっと遠い。
携帯は心理的な距離をずっと縮めてくれる。
いつでも、どこでも、つながっている感覚になる。
しかしまた、だから嘘もつけるようになる。
操作可能になる。

電話は距離を縮めてくれるがリアルタイムなので考えや思いを圧縮することはできない。

手紙はたいていは長い時間をかけて各もので、時間が圧縮されている。その分濃厚な交流になる。

現実の距離を描いたものが地図で、これは客観的で共通である。
心理的距離は個別で個人的である。個人的心理距離の図を描けばおもしろいだろうと思う。
近いの要素と大きいの要素を描き分ければおもしろそうだ。
たいてい、近いものは大きい。
しかし近いけれど小さいものもある。遠いけれど大きいものもある。