無名の猫

名前はまだつけてくれないが、
欲をいっても際限がないから
生涯この教師の家で
無名の猫で終る積りだ

『我輩は猫である』 夏目漱石

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客が来たら、
「そういえば、来る途中で猫を見かけませんでしたか?名前?それが、まだないんですよ。」
などと言いたいので
名前をつけないままで
猫などを飼ってみたいものだ。
田舎のがらんとした一軒家がいい。
同じ家にいるのに全然見かけない日が何日も続いたりとか
そんなゆるい関係の猫がいい。
そんな猫を私は愛するだろう。