アジア系マッサージ

新橋あたりのアジア系マッサージは
建物の中でじっと待っていないで
外に出て体当たりしている
土曜の夜が一番多い
出張のオヤジさんたちを捕まえろという指令なのだろう

文英堂のある角の信号で地下鉄の降り口のあたりで赤信号を見ていたら
ぶつかってきて5千円!と言う
やましい感じもなくて
チクチクするバイタリティを感じて
思わず笑った

そしたら向こうも笑った。
なかなかかわいらしい
前歯が二本前に出ていて
顔が全体に小さくて皮膚が突っ張っていた
目がきらきらしていてきれいな人だなあと思った瞬間に
お願い!
とうるさくてやかましい

疲れてるからだめと言ったら
疲れてるからマッサージでしょ!という
頭いいなあと思って

お金ないからだめと言ったら
だから5千円、安いでしょ!という
もちろんそれはマッサージで自由恋愛代金は別なのだと思うが
頭いいなあとまた感心する

わたしはエイズが何よりも怖い人間だから
絶対にそんなことはしない
するなら全身滅菌ラバースーツを着て、その上からマッサージしてもらう。
針だなんて自殺行為だし
唾液も粘液も絶対にさわらない
涙だっていやだ

こんなにきれいで頭がいいのならどんな商売でもできると思ったが
だからこそこんなことになるのだとも思った
こんな女をころりとだます
悪い奴がいるのだ

やれやれと思って信号を見ていたら
青に変わりそうだった
またぶつかってきて
いつもここで見てるよ、いつも通るでしょう
なんて嘘ばかり言う
いつものこんな時間には私はここにいない

青になったので
歩き出す
また別の男性に声をかけているようだ

元気はもらったような気がする
くじけないで生きていこう

こうして堂々と妻にもやましくないブログが書けるのも
エイズのおかげである