若さとは急ぐことなりナナハンが傾きながら追い越してゆく

新聞短歌から

若さとは急ぐことなりナナハンが傾きながら追い越してゆく

わが読みたき新聞膝に図書館の椅子にふかぶか眠れる男

あの時から今迄のこと知らぬまま若き己はアルバムに在り

痩せた手を伸ばし私の涙拭くまだ親でいる死の床の父

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テレビで在宅終末期医療を見る
ただ死んでいくために生きている
そして実際ほどなくして死んでしまう
何の意味があるのかと患者は問う
頭ははっきりしているのだ