ネットを楽観する人たち

先日話した人は
マスコミは権力の手先で国民を洗脳しようとしているが
ネットは大衆のものだから自分たちで情報を発信して
正しいものを判断できると言っていた

どうしてそんな風に楽観できるのか全く分からない

ネットがそのように重要なものになったら
権力は当然ネット情報を操作するに決まっている

権力発信ではない正しい情報と正しい判断が提示されると期待しているらしいのだけれど
正しい情報の元は何か、怪しい
正しい判断については、前提と結論を見比べてある程度は判断ができるが
政治や経済について一市民が政府当局よりも情報を握っているとは考えにくい

どの範囲の情報をオープンにするか、どの部分を強調するかは、
政府当局の任意であって、この点では民間は圧倒的に不利な立場に立たされていると思う

過去の情報にアクセスしやすくなったとは言えるだろうと思う
現在の政策判断の根拠になっている数字に関してはどうだろうかと怪しく思う

ネットは確かに便利で
銀行に行かなくてもいいしチケットも用意できる

最近では安倍さんはどうなのか麻生さんはどうなのか
結局ネットはあまり有効に機能しなかった

機能したとしていい判断かどうかは分からないところもある
みんなで陶酔したように一気に間違うことが大いにあり得る

目立ちたがりの広場になってしまう
きわめて普通の温厚な意見をわざわざいう人もいない
何かの点で極端だから注目を浴びるのだ

今まで新聞社が世論調査と投稿欄で世論を誘導しているといわれていたが
同じようにネット世論を誘導する技術を蓄えるだろう

いままで正しい言論が封殺されてきたとすれば
やはりこれからも封殺されるだろう

発信はできるけれど
それがどのようにして人々の届くのかを考えると
かなり難しい

誰でも簡単に意見が言える環境ではますます難しい
中庸は埋もれて見えなくなってしまう
両極端だけが目立つのが典型的な状況になる

アメリカの選挙でネット動員が有効だったといわれているが
その中心部にいたペイリン副大統領候補がアフリカは国の名前だと思っていたというのだから
どんなに危ない話かが分かる