被害妄想と対称性

被害妄想というけれど、
害を被るというなら、
害には益、
被るには与えるということで、
本当は四種類が考えられる。
被益ならば、利益を与えられる、
与益ならば、利益を与える、
もうひとつは、与害で、これは加害妄想と呼ばれているものだ。
加害については、妄想と呼ばないことも多く、
強迫性障害では「他人に害を与えてしまったのではないか」という感覚が
原初にあり、それを確認したり打ち消したりするために
果てしのない強迫性行為や観念になることがある。

被害、被益、与害、与益の四種は、対称的だと思うのだが、
被益妄想ならば、幸せだ。
与益妄想ならば、幸せだ。見返りを求めないなら。
被害感は妄想と判定されることが多い。
与害感は、そこから発する行動と観念が問題にされることが多い。
現状の症状分類も、実際に存在するのかどうかと、
現在の社会で問題になるのかどうかという点と、つまり事例性の問題と、
二つの観点があるはずだと思う。