お化けは何を覚えているのか

これはただのお話ですが、
人間が生きて、脳の記憶の中にいろいろな情報が蓄えられますね、
そして死の後に霊魂がその情報を保持するとしますね、
するとこの世界は古い情報で満杯になりそうですが、
どうなんでしょうか?
特に人名とか地名とかで出てきてそれらがどのような関係にあるかという情報でまず一杯になります。
そんな情報は、情報として重要ではないようにも思うのですが、
たとえば霊魂は情報を圧縮するとか、
固有名詞は捨てて、情報の構造だけ保持するとか、
何か仕組みがあるものでしょうか。

針の先で天使は何人まで踊りますかなんていう話に似ているようなことてすね、
井上ひさしの樋口一葉の話で、
お化けが普通の人のように話をしているので、
お化けの記憶の実体とか知性の仕組みとか少し考えまして、
すると自然に考えられるのは、
生きていても死んでいても、意識の根源は、この世界の少しだけ外側にあって、
そこからこの世界に「影」として投影されているのだろうということです。
それなら人間の自意識の発生の軌跡も説明できるわけです。

人間は未来を失うと
こんなくだらないことまで考え始めます。