大江健三郎「話して考える」と「書いて考える」4

○本を読むことと人生を生きることの関係または重なり合い。それは旅よりも冒険よりも不思議な経験である。

●その神髄をもっと享受したいと思う。
●人生を生きること。それは人生という本があって、時間の進行と共に一ページずつめくれて行くことと関係があるのではないか。
●自然神学。聖書ではなく、神が作ったはずのこの世界・自然を理解すること。それも神を知ることである。
●人生はひとつしか生きられない。本を読むことならたくさん読める。たったひとつしかない人生を相対化することができる。……しかしその一方で、たったひとつしかない人生が相対化されてしまう「危険」も含んでいる。大切な唯一のものなのに、沢山ある可能性のひとつに過ぎなくなってしまう。
●旅や冒険よりも不思議な経験であるのはなぜか。それは他人の心の総体にふれるからではないかと思う。自分の人生を経験するかのように、他人の人生わけ意見するとしたら、それは、人間にとって真に深い経験である。そこでは、トライアル・アンド・エラーを実行する基盤さえ用意されるだろう。思考実験の中で試行錯誤ができるようになる。これは脳の原則から言って多きなことである。
●旅や冒険は、横への拡張である。読書は、縦への拡張である。
●旅や冒険は、私の人生である。読書は、他人の人生である。
●本の中に明確な他人が生きていて、独自の感じ方、欲求、行動指針がある。それは読者である自分と異なる。その場合に、別の人生を生きるかのような効果が生まれる。
●思えば私は理科少年だった。それがいまは読書に日々を過ごしている。読書中年である。そこにも必然がある。
●理科少年になって独自の世界を構築したいのだ。
●コンピュータをいじったり秋葉原をうろついたりしたいな。