忘れやすい私のために

忘れやすい私のために
今日を記録しておきたいと思った
ここ一週間たまった新聞を
手にとって
昔の新聞を読むと新聞の嘘がよく分かるのだった

新聞の文章はうまいよ
給料いいものね
でも嘘書いてるよね
最近は新聞社からテレビ局に移りたがる
テレビ局から新聞社には行かない
テレビは新聞よりもっと給料いいからね

忘れやすい私のために
終わったばかりの10月を記録しておきたいと思った
考えてみて10月はただ疲れただけだった
何がほしいのでもない
ただ疲れるまで動いていたかったようだ
一度熱を出した
半日で治った

そこにね、透明な壁があって、押し寄せてくる
壁というか、スピーカーから出るエネルギーみたいなもの
ドーンと響く
私が未来を考えると現れて
皮膚をじかに圧迫されているようで
私が未来を考えるのをやめると
壁は消える

そう、4年位前によくあって、最近なかったんだけど、
また現れて、おっ、久しぶりに出たな、なんて思いつつ、
かなり不愉快で
修士が終わったら就職するしかないな
追い詰められてる

忘れやすい私のために
わたしはあなたの言葉がすき
少しゆっくりした間合いがすき
雨の匂いがすき
遠くに聞こえるカラオケの音が
窓を閉めると消えてしまう
その瞬間がすき

忘れてしまった私のために
過去はない
現在しかない
未来はない