欧州中央銀行(ECB)の初代総裁決定プロセス

2008-3-15付け朝日新聞。通貨統合10年目のユーロで、中央銀行総裁の記事。

98年5月、欧州中央銀行(ECB)の初代総裁が決まった。
独仏の大国からの選出は回避して、独立性を高め、
強いユーロを印象付けたかったという。

明らかに、政治に介入されすぎている、日銀総裁に対する批判。
出身がどこであってもベストな判断をして見せればそれでよいわけだ。

伝統的にドイツ中央銀行は政治からの独立性が強く、
フランスでは、物価安定よりも、為替相場の重視で、
中央銀行の独立性の認識も、ドイツとは違うのだという。

ECB総裁が定期的に各国財務省と会合を持つことは、
独立性の点でどうなのかとの記事もある。
会合を開き、意見交換して、その上で独立性を保てばいいとの意見と、
議論なしに決めるのが独立性だとの意見と、
どちらも理由のあることで、難しい。

2001-9-11の事件のときには敏速に対応して、
ユーロでまとまっていることの優位性を立証した。

財政赤字が少なければ加入できるが、
日本はだめだろう。
英国は自らの意志で、加入していない。

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朝日新聞は、しばらく副総裁が代行してもいいし、
決まるまで現総裁を任期延長してもいいとの意見も紹介している。
日経はこの点では強行で、
総裁も決められないようでは、そもそもだめだ、絶対決めろといった論調で、
しかも、武藤氏でいいという感じの意見を何度も書いているように思う。

このあたりの違いもおもしろい。