過ぎ行く春の日

顔は薄い化粧で静脈が透けて見えている。
脂肪の乗りはよく、鎖骨は目立たない。
胸の辺りにかけてますます白くなり、
静脈は微妙に美しく肌を這う。
赤ん坊が乳首を咥えている。
女も赤ん坊も満足げである。
赤ん坊はめがねをかけた男性が好きらしく笑いかける。
哺乳するとすぐに眠る。
春の日、乳汁の香りにむせながら、布団の中にいる。