堀田善衞「ゴヤ」(7)

1816年、アルゼンチン独立宣言、
1819年、コロンビア独立宣言、と書物の中にある。

先日ユニセフの事務所を訪れた時に、コロンビアで、
子供たちはつらい目に遭っているのだという掲示を見たばかりである。

ゴヤの当時から200年たって、現在のコロンビアがあり、
わたしは一方で歴史を読み、他方で現実を目にしている。

コロンビアの子供たちよ、
君たちにとってサルトルの文章なんか何の意味もないんだよね。

歴史というものは、逃れようのないただ一通りの事実である。
そのことが重い。