熱中症

2008-08-10に書いたもの
転載

暑い夏だったですね

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やっぱりどうしても熱中症になるようで
救急外来は熱中症で混み合っている
重々承知をしていてもうっかり熱中症になってしまう

一応水分や塩分を取っていればいいのだけれど
だからスポーツドリンクと梅干とかそんな感じでいいのだけれど
やっぱり悪くなってしまうことがある

夏になると必ず水難事故で命を落とす人がいて
登山をすると必ず遭難する人が出るようなものなのだろう

ひょっとすると日本人自体が弱くなっている可能性はあると思う

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どれだけ水を飲めばいいのかといわれるが
どけだけ汗をかいているか冷房の中にいると
よく分からないことがある
尿をどれだけ排出しているかは少し分かりやすいし測定もできるが
便としても水分は出ているわけだ
下痢をしているとてきめんに電解質が失われる

スポーツのあとに補給するよりも
前に補給してくださいと言われることもある
スポーツの持続時間にもよる
こまめに補給すればそれがいい

のどがかわくとか
ひどい場合には筋肉が痙攣するとか
分かりやすいサインがあれば
次から何とかできるのだけれど
水分や電解質が足りなくなっていることが分からない場合がある

老年者の場合には水分が足りない事を自覚する神経が鈍っているので
その分危険だということになる

糖尿病があったりするとなおさらコントロールは難しい

老齢になって頻尿や尿失禁がいやなので水分を控える人も出てくる

皮膚に張りがなくなっていたり
舌が乾いていたり
眼球陥没などという目印もある

意識混濁
四肢脱力
発語不明瞭
などは脱水の目印となる

なんとなく元気がない、
食欲がない、
うとうと寝てばかりいるなども
脱水を疑う。

水分の維持量として
1日の水分量=35ml/kg体重
ただし、37―38度で300ml追加、38.1度以上または軽度発汗で400-900ml、
発汗反復で900-2400mlを追加する
王と、下痢、吸引、出血などがあったら実測値を追加

50kgの人だと1750mlの水分ということになり、
夏だと少し多めになる。
食事でとる分を除いて、あとはお茶などで補給するので、
200CCのコップで数えても、何倍も飲む必要がある計算になる。

尿濃縮能の低下があったりすると
またややこしいことになり、
老齢者の水分電解質管理も大変である。

血液どろどろとかさらさらとよく言われて、
血液の濃縮が危ないとくり返し言われている。
その点でも多めに水分を取っておくのが安心である。

しかしその分、尿は頻繁になる。
トイレでの事故が起こったりしないように工夫する必要がある。
場合によってはポータブルトイレで済ませる。

オリンピックで力強い試合を見ているなかで
力弱い話で恐縮である。