難治性うつ病

続・うつ50話:第3話 治りにくいうつ病

 治療をしているにもかかわらず、なかなか治らず、治っても再発を繰り返すうつ病を「難治性うつ病」と言います。うつ病患者全体の10~20%を占めているとされ、その原因の解明と治療法の開発が急がれています。

 原因として、治療者側の要因、患者側の要因、環境要因などが関係しています。治療者側の要因として、薬物の選択や投与量および投与期間が適切ではない場合です。

 患者側の要因として、医師が指示した通りに薬物を服薬しない、少し改善すると自分の判断で薬物を中断する、うつになりやすい性格、不十分な休息、家族の支援不足、対人関係上の問題などがあり、環境要因として、家庭や職場での困難な状況などがあります。これらが複雑に絡み合って難治性うつ病を生じているようです。

 では、どのように対応(治療)すればよいのでしょうか。まずは治りにくいうつ病が存在することを知ることです。そして、医師の治療に納得できない時はセカンドオピニオンを求めたり、医師を代えてみるのも一つの方法です。

 また、考え方や、性格的な問題、対人関係上の問題が関係している場合、家族関係や仕事などを調整する必要がある場合には、薬物療法だけでは限界で、これらの問題を解決する心理的治療を併用する必要があります。

 (大阪市立大大学院医学研究科講師・神経精神医学、谷宗英)

毎日新聞 2008年4月12日 大阪朝刊

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うつ病患者全体の10~20%と書いているが、たしかにそのようで、
大学病院などにはもっと多い割合で通院している。

根気強く治療するしかない。