体にいい食事とはどんなものか?
肥満になる、糖尿病になる、心臓の血管や脳の血管が詰まる、
そんなことの原因になるような食事は、
論外に、悪い。
そんなものは品川ランチでも却下である。
しかし微妙な「悪さ」もある。
たとえば、60歳で死ぬけれど、アメリカ大統領を8年間させてあげるという提案と、
80歳まで生きるけれど、10年間は病気療養で、
周囲の人にイライラされて、お金にも不自由するという提案と、
選べるとしたら、どちらが「いい」人生ですか?
またたとえば、
100メートル走に適した体と、
マラソンに適した体と、
どちらが「いい体」でしょうか?
食事によって、疲れがたまらず、バリバリ仕事ができて、
昇進もして、偉い人たちとつきあい、
現役のまま長生きをして、120歳でぽっくり死ぬ。
そんなことはありえない。
瞬発力が必要な時と、
持続力が必要な時と、
自ずと必要な食事も異なると言えるだろう。
瞬発力には肉、魚がよろしい。
ステーキやウナギやマグロ、とろろと卵。
たとえば「うなとろ丼」というものがあり、
ウナギの上にとろろと卵がかけてある。
銀座の夜で瞬発力を要する場合はそんなものを食したようだ。
しかしそんなことがやはり血管を傷つけたり、
心臓に負担をかけたりすることは
否定できない。
しかしまた、そのように活発に運動することで、
富と権力を手にして、長期的には長寿を全うできるかもしれず、
そのあたりは成り行き次第で、何とも言い難い。
活発な活動がさらに体内の各種ホルモンを誘発する面もある。
現役を進退するとめっきり脂気が抜けてしまう人がいるものだ。
従って、「体にいい品川ランチ」というものも、
なかなか判定しがたい。
コレステロール低く、血圧低く、能率悪く、
対人的にも悪いが、90歳まで生きる人生と、
コレステロール高く、血圧高く、がんばりはきいて、
人にいやと言わず、65歳で突然死する人生と、
どちらが「いいからだ」だったと言えるだろう。
品川に歓楽街はなく、
従って、たいした接待もなく、
夜になると、偉い人は品川にはいなくなる。
夜遅くまで品川で仕事をしていて、
夕食も品川で外食しているようなら、
あなたはたいして偉くないし、
そもそも偉くなるコースには乗っていないのだと見るべきだ。
偉くなるコースの人は丸の内本社か地方支店長か、どちらかだろう。
起業家ならば、家賃が中途半端に高いだけでメリットはない。
だとすれば、品川でランチをとるあなたは、
やはり、仕事のパワーや瞬発力ではなく、
持続力を目指すべきであり、
たいしていいこともないが長生きはしたという人生を
目指すのが人生の目標として妥当だろう。
それが現実的というものだ。
わたしがそうだからだ。
自覚するのが少し遅かった。
いや、うすうすは気付いていたのだが、
現実を認めて、その範囲内で利益を確保する手はずが遅れた。
パチンコで負け続けて、次は勝つのではないかと思うこと。
株で負け続けて、いい加減今度は上がるだろうと信じること。
どちらの例えでもいいが、いずれにしても、負ける運命である。
次に勝負すればまた負けるのだと現実を見極めて、
その上で対処しなければならない。
それは実につらいことだ。
そして6時には山手線に乗り、
一時間かけてベッドタウンにたどり着き、
家族と夕食をとる。
それがいい。
だとすれば、
体にいい品川ランチとは、
夕食の栄養成分を考えてバランスのとれるもの、となる。
家庭の主婦は、脂肪を嫌い、菜食を極端に好むものだ。
妻は買えば500円ですむところを、
午後いっぱいかけて支度しているのである。
それが愛情なのである。
子どもがいる場合には、子どもに合わせた食事になってしまう。
そんなことも考えて、炭水化物を中心にして補給すればよい。
一日二回も、カレーやハンバーグを食べたりしないように、
気をつけることである。
場合によっては、同じ冷凍ハンバーグを、
品川ランチと自宅夕食に出されているかもしれない。
少なくとも、そのことに気がつきましょうよ、皆さん。