大衆芸能

演歌の世界を考えてみる。
歌詞は、もうとっくにネタ切れである。
無理をするとへたくそがばれる。
無理をしないと、どこかで見たような歌詞になる。
昔は、カモメ、海、酒場、女、煙草の煙、これに多少のアレンジ、これですんだ。そして、この定型で処理していた時が、演歌の黄金期だった。
最近はもう少しどぎつい歌詞で、抱かれるとか、帰りたくないとか、もう一歩具体的な情景に踏み込んだものも多くなった。
作曲に関してはよく分からないが、
もう限界で、どのように作っても、自然に作ればどれかに似てしまうのだろう。
似ないように作るには、無理をして、変な流れになってしまう。仕方がないだろう。気付かれないようにパクルのはかなりの技術だ。

そこまで考えてもう息も絶え絶えの状況なのだなあと納得して、
大衆芸能としての演歌に接してみると、
昭和の一時期に確かに完成されたのだと感じる。