知人が語る。
僕はね、写真を見ていて思うわけ。
ああ、このカメラマンはこんなにも豊かな表情に囲まれて生きてるのか、ってね。
だって、僕がカメラを向けても、その人や動物はそんないい表情をしてくれないように思うね。
それは、その人がカメラを向けたからなんだ。
多分、カメラを向けなくても、その人は、他人のいい表情を引き出しながら生きているんだろうなと思うと、
とても羨ましいと思うなあ。すばらしい資産だもの。
そんないい表情に囲まれていたら、
世界はキラキラしてくるでしょうね。
生きていてつまんないという人は、一部、そんなことも原因じゃないかと思うんですよ。
他人はとにかく、僕の場合はね。
そこがとてつもなく寂しいな。
仕方ないことだけれどね。ないものねだりもしないし、極端にいつも思っているわけでもないけどね。
他人の写真を見ると思うわけ。
文章ならね、着眼の問題だし、どんな言葉で飾るか、それはある程度任意だし、羨ましいとは思うけど、絶望はしない。
写真の場合は、表情を引き出すことと、シャッターを押すことだけでしょう。
表情を引き出せるということは、その人はどんなに豊かな世界に生きてるかと思うと、
羨ましいわけ。
その人に向かってはこんな感じでほほえみかけてくれるわけでしょう。
いいよね。