官能の世界とか、性の本質とか、宣伝には書いてある。
読んでいて思ったのは、誰が誰に向かって書いているんだろうかということだ。
書いているのは、吉行淳之介で、主人公も同じ、これは分かりやすいと思っていいのか。
でも、もったいぶるほどのことなんだろうか?
こんな程度のやつと分かったらまずいのじゃないか?
そこで、虚構があるのだろうと推定される。
「こんな程度の奴」が居るとして、こうだ、という設定なのだろう。
誰が好んで読むのだろう?
女が読むとすれば、女について知るためではなくて、男について知るために読むのだろう。
でも、こんなこと。面白くない。
男が読むとすれば、若い男ならば、先輩が何をしているか読むのだろうか。
それなら分かる。何でも知りたいだろう。
中年の男ならば読んで面白いだろうか?つまらない。
風俗一般について知りたいのだろうか?
でも、性については、文章を読んで心理を解説されて、しかもそれが心にしみていかないものであれば、どうしようもない。
全然官能的ではない、性の本質でもない、と思った。