先日神保町を活性化したいとのことで、地元の大学生が、活性化案を話し合ったと報道があった。
インターネットの普及により、書籍を探すにも神保町の位置づけも変わってきているらしい。
初めて神保町に行った頃、三省堂は確か、一階のみのワンフロアだけではなかったかと思う。記憶の中では、私は「国勢図会」を手に取り、買おうか買うまいか迷っている。
いま思えば、
1.そんな本を買う必要はない。
2.迷う時間があったら、買って使った方がいい。
と思う。
その後、三省堂が建て替えになり、日本一の売り場とかなんとか言っていたと思う。その頃には新刊書は大学生協で間に合うようになり、私の興味は専ら古本に向かった。何度も通っているうちに、この店で、この本ならば、値段はいくら、と見当がつくようになった。そして、私の見当から大きくはずれて安いものを手にすることがあり、それは迷わず買ったものだった。結果として、家に本が溢れた。ばかなことをしていたものだと思う。
教養を身につけることがいいことであり、そのためには本を読むことがいいことなのだと、疑いもなく信じていた。その意味ではまさに教養が足りなかった。当時、先端を行く同級生たちはコンピュータを個人的専門的に扱い始めていた。
神保町には安い食べ物屋もあるが、めったに入らない。天ぷらのいもやは学生の時に入ったきりだ。喫茶店も好まない。古書店の隣にあるスポーツ用品店街には全く興味がない。昔は専門書を買う時に車で行って、積み込んできたりしたものだ。共立の向かいにある学士会館は一休みするには便利だった。お年寄りが将棋や囲碁をしている。ビリヤードもある。最近はドラマ「華麗なる一族」のロケに使われていたようだ。
神保町には洋服屋もあり、そこでいくつか服を購入した。いまは全然使わないのだが。
神保町でうろうろして空費した時間をいまは惜しく思う。
*****
そう書いて、では、何をしたかったのかといわれれば、何もないようだ。
もっと楽に生きればよかったなあと思う。