コラージュ論 総論4


  • イメージとイメージの間を統御する文法がない。そこが文章との違いである。




  • 例えば、「神」や「平和」など、こうした言葉に対応するイメージは探しにくい。
  • 神が人の暮らしの永遠を打ち砕いた、などという文章をイメージで表現することは難しそうである。
  • 逆に、コラージュで並べて貼り付けたイメージを、言葉でどう表現したらいいものか、戸惑う。どれが主語で述語なのか、原因なのか結果なのか、明示されていない。語るとすれば、3センチ離れて左右に貼られていると言うだけだ。しかし人間は心の中でそのようにイメージしているわけではない。多分、もっと文章で、物語のように、イメージしているのではないか?
  • 言葉とイメージとを相互に置換できないということは、多分、脳の違う部分が働いているということなのだろう。だとすれば、イメージを操作する作業には、言葉の操作とは違う、独自の意味があることになる。