社会の致命傷

技術革新があり世の中の状況は刻々と変化する。

交通が発達し行動半径は広くなった。
兵器は発達し戦争は大規模な殺戮になった。
栄養は改善され医療技術も進歩し健康寿命は延びた。
人件費の安い地域で大量生産できるようになった。

そうした状況に合わせて、世の中の仕組みや制度も変化させないといけないはず。
しかしそれが難しくてうまく行かない。
これまである役所なり会社なりで働いてきた人たちを、
制度が変わるからといって、いきなりどうするということもできないわけだ。
技術はいきなり進歩するのに、
制度は徐々にしか変えられない。
そこで一方の人たちはイライラする。他方では守り通そうとする。
今までがんばってきた人たちには敬意も表するし処遇も考えるべきだ。
しかしそれが突破できないままで社会が古いままというのは致命傷になる。

日本の金融機関などはそういった感じで遅れてしまった組織なのじゃないかという感じがする。

そうは言うものの、やはり内部の現場の人でないと分からないこともあるのだろう。
例えば、識者という人の意見とか、各種新聞での論調とか、
自分の専門外のことであれば、なるほどそういうものかと納得して、「洗脳」されているのだが、
自分の専門分野のことであれば、識者も新聞も嘘つきだと分かる。
ということは、他の分野でも、識者も新聞も嘘つきなのだろうと感じる。
しかし説明を読んでいる限りでは、あからさまに嘘を見抜くこともできない。

マスコミの構造改革。
これが必要なのじゃないか。
劇的に迅速に。

大御所、小権力者が陣取っている間は変わらないのだろう。
漸進的改革でもないよりはましだけれど、
技術も高速に進歩し、それに伴い人々の意識も高速に進歩しているはずなのだ。

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現実と妥協しながら、徐々にしか変えられないという点では、
生物の進化と似ている。
急に鳥類が生まれるわけでもないし、
急に哺乳類が誕生するわけでもない。

しかし一方では明らかに可能な技術があり、
社会制度を変えれば急激に変わると分かり切っていることも沢山あるはずなのだ。