この若い緑の香る中
ずっと私は何かを思い出しそうだった
今日車で都心を走っていて突然思い出した
明治学園大学の脇を走っていていたときだった
学校とゴールデンウィークと緑の香りが結びついたようだった
高校三年のゴールデンウィークに
私は夕方に用もないのに学校に出かけて
夜までいたのだった
守衛には幸いみつからなかった
その時の体験が記憶の表層には出ていなかったものの、
やはり気分に大きく影響していたのではないかと思った
しかしいま考えるに、
そうでもなくて、やはり春のこのムズムズした気分が最初にあって、
学校に忍び込んだのもその気分の延長なのかなと思える。
だから教室での出来事は、その後の気分の原因とも言えないのだろう。
あからさまに書くには適さない出来事だった。