大江健三郎・再発見 すばる編集部・大江健三郎 2

知とか知識というもの、あるいは文化に関する知識をひけらかす人たちは、

とても退屈である。

経験を通して知識を再表現するのでなければ、

知識は意味がない。

経験と知識が結びついているような言葉

つまり、

生活の中で経験と知識(または洞察)が結びついて、

ぴかっと光る瞬間、

これを再体験したいのだ、読者は。

そのプロセスを飛ばして、

知識だけを提示されたのでは、

あまり面白くないのだ。