穂村弘「本当は違うんだ日記」

私が普段読んでいる文章とはかなり肌触りの違うもの。

生活していて、等身大の人間が、

あれこれ感じたり発見したりしている様子が面白い。

オリジナルな感じがある。

この人が生きているということはこういうことなのかと思う。

実際の手触りがある。

あとがきから引用。

今はまだ人生のリハーサルだ。

本番じゃない。

そう思うことで、私は「今」のみじめさに耐えていた。

これはほんの下書きなんだ。

いつか本番が始まる。

そうしたら物凄い鮮やかな色を塗ってやる。

塗って塗って塗りまくる。

でも、本番っていつ始まるんだ?

わからないまま、下書き、下書き、リハーサルと思い続けて数十年が経った。

そして鼻毛が銀色だったことに著者は気がつくのだった。