子供たちよ
わたしは君たちの夢の一つ一つを
やさしく守る
君たちの愛の一つ一つを
やさしく守る
君が大好きだというあの娘の
父も母も姉も弟もわたしは知っている
君の思い込みは間違っていると思うが
君の憧れの美しいことにかわりはない
貴重な人生の一瞬である
ないよりは百倍有意義だ
美しいままで心の中の宝物にするがいい
そのような君の愛をわたしは守る
君が嫉妬心を燃やしているあの女性について
ただの平凡なおばさんだと君が気付くのは
多分難しくない
もう少しだけ彼女に近付けば分かるだろう
君は自分の顔さえよく見たことがないだろう
携帯画面のハーフミラーに映る自分の姿を見ただろうか
口がゆがんでいるよ
その口の歪みと彼女の口の歪みとは同じだよ
たったそれだけのからくりで
君は彼女が好きなんだ
それでもいい
気持ちは純粋だ
ただ好きなんだね
いいとも守ってあげる
丁寧に包んで守ってあげる
君の思いが幻想であっても美しいなら
先輩であるわたしはそれを守る