貧困は神の恵みへの特権的な通路である。
目の当たりにする貧困は、真実の宗教と真実の社会改革へと人間を駆り立てる。
南米で、アジアで、アフリカで。
医療の不足もまた神への特権的な通路である。
避けられたはずの死に際して、真実の医療と真実の宗教が発生する。
日本ではここ100年、真実の貧困が欠如し医療の不足が欠如し、従って、真実の宗教への動因に欠けていた。
しかしこれからは、福祉国家側ではない国々で、
あからさまな貧困と医療欠如、教育欠如、倫理欠如が明白となり、
これらはどれも、真実の医療、真実の教育、真実の倫理への願いを強め、
最終的には、真実の宗教へと収束する。
諸宗派のつまみ食い的総合は棄却され、単純で最下層の人々を救済するための教義となるだろう。
貧困と病気と社会的混乱の中で、強大な権力を求める人も一定数はいるだろうが、
一定数は、真実の宗教を求める。
世直し、病気治癒、来世での報酬、これが目標になる。
宗教と社会科学と医学の幸福な総合がそこでは実現するかもしれない。