美貌または才能または財産を失った者は幸いである。

美貌または才能または財産に恵まれたものは不幸である。
その人の周りには、よくないものたちが集まる。
利益を掠め取ろうとするもの、
余禄にあずかろうとするものたちである。

あなたが美貌のゆえに嫉妬されたなら、
自分を美人と思っていい。
そのかわり、醜く装いなさい。
それが災いを避ける道である。

賢いなら、愚か者を装いなさい。
理由は分かるはずだ。
老子にもある。

賢愚などは相対的なものである。
1000年後の人々は、現代の我々の誰よりも、賢いだろう。

財産があるなら、貧しく暮らしなさい。
嫉妬され、人間不信に陥るよりも、ずっとよい。

そして不幸にも、美貌、才能、財産を失う経験をれば、
人生と人間の本質も分かるだろう。
また、そのときに、真実の友が誰であるかも、分かるだろう。
その人を大切に生きなさい。
人生はそれで充分である。

真実の友を知るために、
美貌、才能、財産を使ったのだと思えば、
悔いもない。
従って、美貌または才能または財産を失った者は幸いである。

すべてを失い、
ひとりの友も残らなかったら、
かける言葉もないが、
そのときは、ともに語り合おう。