死体処置をするエンバーミンクであるが、こんな話。
あるとき、マンション高層から飛び降り自殺ということで、
顔面損傷が激しく、エンバーミングが要請された。
消毒したり、整形したり、手のひらは死後硬直で握っていたので、
開いて、ホルマリンで処理をした。
すると、くっきりと、ロープを強く握ったあとが現れた。
自殺ではなく他殺で、
最後はロープにしがみついたのだと予測できた。
自殺して飛び降りようとして、しかし、
とっさに、ロープにしがみついたのかもしれない、
そこの詳細は分からない。
無論、余計なことは言わないのだが、
恐ろしい世の中である。