老齢化し国際競争力を失った日本の中小企業には、先の展望がなかった。
新銀行東京ができて、どんどん融資してくれた。
しかし会社には展望がない。
沈没が明日か、半年後か、一年後かの違いであり、
新銀行東京からの融資は、潰れるのを一年延ばしてくれるだけのものだった。
それも意味がないとは言わない。
いろいろあるのだから。
お金があって努力してもだめだったのかな。
跡継ぎもいないので、工場を閉める。
土地も売ってしまおうか。こんな捨て鉢なときには安い値段でも、
とにかく、昔のものを処分してしまいたくなるものだ。
業者とも関係を切る。おかげでまた連鎖倒産が増える。
これも新東京銀行の回収不能債権となる。
そんな中でたとえば、
中小企業の税理士をしていた人が、顧問企業がなくなったから、
サラリーマンとして就職したいと就職活動を始めていると言う。
大田区の中小業者を何とかしようと思ったのはよかったが、
やり方は失敗した。
負の連鎖はまだまだ広がりつつある。
社員を連れて、8丁目に遊びに来てくれていた社長さんたちもいた。
それがいまは、音沙汰なし。それが悲しい。
お金なんか要らないから、
元気にしているならどこで何をしているのか、
教えてくれてもよさそうなものだと思う。