あるひとのはなし。
会社のハードディスクが読み書きできなくなり、
保守業者に連絡して調べてもらったら、
寿命ですとのこと。
では中身を少しでも取り出せるかと聞いたら、
それも無理とのこと。
記録または記憶が失われるという点で、
認知症に近いものがあるが、
じつに空虚である。
別に無理な使い方をしたわけでもないのに、
5年で寿命だといわれ、
大事なものがなくなってしまい、
それで平気というのは、
業者としてどうなのだろう。
そんなことが予想されるなら、
たとえば毎日午前3時に
ハードディスクのバッククアップをとるとか、
対策をすればいいだろう。
実際、わたしのところでは以前はそのようにしていた。
グーグルのサービスはいいけれど、
グーグルのハードディスクが何かに攻撃されて、
情報が流出したり、
消えてしまったり、
いつかそんなことが起こりそうだ。
定期的に自分で消して、手元のハードディスクにバックアップをして、
といったような自衛策が求められているように思う。
大事なものはコピーして、分散して、事故があっても、残るようにする。
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その人は、いまの部署で5年になる。
自分がその部署に来たときに新しく入ったコンピュータなので、
5年だとすぐに計算できたという。
自分もそろそろ新しい活動がしたいといい始めている。
ハードディスクが壊れて、
そのことで背中を押されて、
新しいチャレンジを始める、
それもまた現代的な風景である。