医学関係で映像に敏感なのは
基礎系では解剖学、
臨床系では眼科だと思う。
解剖学は伝統的にスケッチがさかんで絵心のある人が多い。
人体の正確なデッサンのために必要な解剖学の知識というものがある。
美大には解剖の先生が教えに行く。
最近は筋肉を鍛える方面の人が、
正確な解剖学の知識を欲しがる。
解剖図を見て、この筋肉を鍛えるのに一番正しい運動はどうするのですかという。
肉眼解剖学では、
骨、筋肉、内臓を皮膚で包んでイメージしている。
表面の出っ張りにもくぼみにも理由があり、名前がつけられている。
ラテン語がそれぞれ割り当てられている。
たとえば、
長趾屈筋(musculus flexor digitorum longus)
橈側手根屈筋(musculus flexor carpi radialis);
などというような具合で、なかなかいいものだ。
古きよき学問の匂いである。
ヨーロッパの伝統のフレーバーである。
人体を眺めて、
こんなにも複雑で機能不明なものが立派に生きているのだから、
よくできているものだと感心する。
眼科は光学系のレンズそのものを扱うので
敏感になるのだろうか。
眼科の写真はとてもきれいだと思う。
コンピュータ映像に一番縁があるのが
放射線科だろう。
一番高価な機械を使う。
進歩も著しい。
日本の比較的強い分野だと思う。