「うつ病で自殺」に労災、配置換え、支援不十分…福岡地裁
うつ病で自殺した元農協職員の男性(当時45歳)について労災と認めなかったのは不服として、福岡県篠栗町の妻が国を相手取り、処分の取り消しを求めた訴訟の判決が26日、福岡地裁で言い渡された。木村元昭裁判長は「業務と発病には相当の因果関係が認められる」として処分を取り消した。
判決によると、男性は1989年、粕屋農協(福岡県粕屋町)に職員として採用され、主にガソリンスタンドで給油や灯油配達に携わったが、99年4月から定期貯金や共済の集金、勧誘などを担当。同5月にうつ病となり、同7月に自殺した。妻は2001年7月、福岡東労働基準監督署に労災を申請したが、労基署は03年1月、自殺と業務の因果関係を認めなかった。
木村裁判長は「金融商品に関する高度の知識や営業技術を必要とする業務で、ノルマもあった。男性は経験がなく、性格も向いてなかったが、十分な研修は行われず、職場の支援体制は不十分だった」と判断。労災と認めなかった処分は違法とした。
福岡東労基署は「関係機関と協議し、対応を検討したい」とコメントした。
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このあたりは難しい。業務と発病には相当の因果関係が認められるのかどうか。