医療現場のIT化

IT産業は第二の公共事業ともいえる。
電子カルテ、オーダリング、フィルムレスは一見格好いいが、
とんでもない金食い虫だ。
ある病院では政府からの補助金が2億円。IT化を進めた。
医業に従事している者があげた収益がIT産業の食い物にされているともいえる。

病院経営者は費用対効果をもっと真剣に考えれば、
現状でコンピュータ化は無駄な支出かも知れないと思うはずで、
職員を増やしたほうがいいと思う面もある。

老医師にはキーボードが煩わしいし、仕事が増えた。
合理化になっているかどうか、怪しい。

ペンで書ける人がどうしてキーボードをたたく必要があるのだろう。

医療の質が高まっているだろうか。
医療用のソフトは日本語ということもあるが、
医療制度が独特なこともあって、海外の汎用ソフトが使えない。
そこで導入も保守も割高になる。

院外処方の頃は自分でデータベースを作って運用していたし、
レセプトの印刷まで済ませていた。
院内処方にした時に、薬剤点数の計算は無理と思い、
オルカを導入した。
その後は電子カルテとオルカをつなげて使っている。
ペーパーレスであるが、
紹介状は紙だし、診断書も紹介状も印刷するし、
結局役所への書式には手書きで記入していて、
中途半端な具合である。

IT化が進んで患者さんともっと快適に向き合えればいいのだけれど、
画面に向き合うどころか、
キータッチが不自由でキーボードを見続けているのが現実である。

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IT化も含めて、医療関係のコンサルタントとか、いろいろな周辺業者が存在していて、
医者レートで商売しているらしい。
能率が悪いことといったらない。
見ていてはらはらするのだが、
年のせいか我慢できるようになった。
効率を追求しなくなった。

周辺業種、例えば、臨床心理士、薬剤師、医療事務、駐車場や自販機業者などもふくめて、
ITさんもまとめて、面倒見ましょうという感じ。
診療報酬を受け取っても、残らない道理である。