小川国夫80歳で死す

「アポロンの島」29歳。
体験が言葉になり、
言葉は体験を誘発し、
不思議なような文章である。

中の一文に接して、ある強烈な過去の体験が蘇った体験がある。

*****
「昼は眠り、夜に書く生活を一生続けました。小説が片時も頭から離れず、日々の生活など心配したことはありません。家族の事をどう考えていたのかも分かりません。」

文士の本分を貫いた生涯だった。

*****
こう紹介している。
家族の心配くらいしてもたいしたことはないし、日々の生活のことも心配したほうがいいと思う。人々と共通の基盤は持っておいたほうがいいような気がする。わたしはその主義だ。