この世に必要のないもの

この世に必要のないものを考える
一体何が目印になるのだろう

存在しているからには何か理由があり
なくなったら誰か困るだろうと思う

ヒントは
たとえば国際的に比較して
他の国の人が必要としていないことなら
実際は必要ないのではないかと思うことだ

イスラムの人が豚は食べないとして
豚は必要ないかといわれると
イスラム文化の中で
食べてはいけないといわれるくらいだから
存在は必要なのだろう
コーランにも書かれているのだろう、多分

そう考えると
日本独自の文化などというものは
実はなくてもそれなりにすんでしまうのかもしれない

思い当たるのは
短歌である

短歌はほとんど翻訳不可能なアクロバットなのであるが
日本語というものの特性に大きく依存しているので
日本語以外で何を表現しても翻訳不可能なところがあり
だとすれば米国人もヨーロッパ人も
短歌はなくても充分にいい人生なのであり
シェイクスピアがあれば足りるので
翻訳不可能と威張っているということは
不用品という印なのかもしれないと
思ったのだ

それよりも日本では
人間に必需品である宗教が
なぜだか背景にまわっていて
気になるところである

きちんと悲しみ
深く同情する
レールが剥がされてしまっているような気もする