聴力の加齢変化

50歳代から徐々に高音域から難聴が始まるが、
会話音域については保たれることが多いので、
難聴として気づかないことが多い。

電話の音の聞き取り、
テレビの音のボリューム設定などで
推定できることもある。

騒音下での言語聴取能力は
聴覚中枢路での信号処理能力の低下を反映している。

老人性難聴では、
音は聞こえるが内容は理解できないという訴えとなる。
最大明瞭度低下という。
認知症と紛らわしい。

純音聴力があっても、後迷路障害があれば、老人性難聴となる。
このあたりについては、
昔、老人性難聴は中枢性の聴覚障害を伴うといわれ、
最近の報告では、障害の責任部位は末梢性の蝸牛レベルとされ、
したがって、補聴器が有効ということになる。
末梢性、中枢性については、いくつかの報告で見解にばらつきがある。
ゆっくり、顔を見て話すなどで改善する。

難聴があって、
性格変化が起こったり、場合によっては幻聴が生じる。
抑うつ状態にもなる。
結局、認知症となる危険がある。

個人的経験では、
蚊よけの超音波発生装置と言うものがあって、
その音が若い人には聞こえ、
老齢者には聴こえなかった経験がある。

音楽も聞こえ方が違っているはずだろう。
公共の場所での携帯の呼び出し音がどのくらい気になるかの問題も、
聴力低下と関係しているかもしれない。

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当直室の騒音が気にならない人と気になる人がいた。
最近の人はヘッドホンで大音量で聞いていてるので、
多少の騒音は気にならないようでもある。
鈍感な方が生きやすいのはどの領域でも同じである。