オリンピックは恐ろしい

オリンピックを見て、
私が恐ろしいと思うのは、
人間が勝手に決めたルールに人間がこんなにも懸命になり、
適応してしまっているという点である。

ルールを設定して、
報酬を設定することによって、
人間の進化の方向をこんなにも簡単に誘導できるのであって、
それは人間が人間をコントロールする場合の、
すばらしくかつ恐怖の見本である。

こんなことに喜んだり泣いたりしつつ、
人生をかけてきたと選手とコーチは語り、
それに対する共感をあおるように情報が流され、
テレビの前の人間もまた
喜んだり泣いたりして、人生を空費している。
これもまた人間が人間をコントロールする場合の、
典型的な手法であって、
すばらしくかつ恐怖の見本である。

こんなにも空疎なことで人生が終わるのだ。
そして空疎でないことは何かあるかと考えても、
ありはしないのだ。