父性系治療と母性系治療

父性系治療と母性系治療という言葉を
まず書いてしばらくいじいじしていた

何か言いたいのだけれど
うまくヒットしない

父性的なものと母性的なものの
イメージはあるけれど
言葉で言えば父性的、母性的としかうまくいえない

たとえば
人間は年を取ると
女性でも男性みたいに見えたり
男性でも女性みたいに見えたりする

たぶん年を取らなくても、
服装や化粧などの要素を取り除けば
トランス・ジェンダーみたいなことはあるのだろう

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カウンセラーと言って思い浮かべるのは
どちらかといえば
母性系で抱え込んで
無限の愛を注ぎ
といったイメージが強いのではないかと思う
はげているおじさんなら
かつらをつけておばさん顔にした方が
カウンセラーという雰囲気が出ると思う

日本において父性系治療者とはどのようなものか
考える必要があると思う

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父性性の欠如が指摘されてしばらくたって
ますます父性は薄くなり変質しているようである

そしていろいろな言説があるのだけれど
どっちでもいいし
もういいやという気分

言わなくてはならないことだけを言う
言わなくてはならないことならはっきり言う
それが立派とも思う

新橋は結構父親原理が機能している場所だと思う
それが社会格差と関係しているかもしれないとも考える

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男が男でいられるための条件
とでもいうものがあるのではないだろうか

そして父性を受け入れる条件というものもあるのではないか

いろいろな父性があることも確かで
むつかしいけれど

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相撲部屋で弟子が大麻疑惑
検査結果は陽性、本人は否定、
その場合
おかみさんは「弟子の言うことを信じる」
師匠は「それじゃあ世間が通らねえ、世間が許しても俺は許さん」
という風景を私は想うのだが
どうもそうでもないらしい

子を信じるのが親の務めとかの言葉もあったように思うが
それは母親の務めであって
父親の務めはそうではない
法よりも厳しく裁くのが父である

父性は何だ
相撲部屋にもないのか

愛と寛容に対比して
法と秩序と言われるが
現状では
愛も寛容も法も秩序もない

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若貴の場合、
強い父と美しい母とがいてエディプスの構図がぴったり当てはまると
感じられる

変質する前の父性と母性があったと感じる

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父はいつでも強力なもので
父はいつでも魅力的なもので
父はいつでも先行している

私が考えることも記す言葉も
既に父の本棚にあったのだと
愕然とすることもある

知らんふりしているくせに
こんな過去もあったのかと
思わせられることもある