インターネット中毒やネット中毒という
新種の病気があるわけではなくて
実際の診断では
表面的な症状としてネットにのめりこんでいるが
その本態はうつ病とか統合失調症とか嗜癖の一タイプとかそのような言い方をしている。
それでもネット中毒には独特な特徴がある。
昔からキーボートを叩きながら長時間モニターに向かっている人はいたもので、
特に中毒と呼ぶことはなかった。
それは内容として、大体がプログラム言語を操って何かをクリエイトしている人たちが多かったからだろう。
親から見れば、よく分からないながら、普通でいう遊びとも違うし、何か特殊な才能なのかと思うところだろう。
最近でもそのような人はいるわけだし、
プログラム言語に熱中するあまり学校を長期欠席
なんていう話はあまりない。
あったとしても一種の天才であって、大切にしたほうがいいくらいのものだろう。
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最近は会社も学校も欠席して
ネットにつなぎっぱなしにして
オンラインゲームをしていたり
チャットをしていたりするらしい。
それで本来の場所を欠席するというのも変な話で
携帯でも使えるし無線ランでも使えるのではないかと思うが
そうでもなくて部屋に閉じこもるものらしい。
だからオンラインゲームが悪いとかチャットが悪いとかのものでもないようではある。
しかし悪い要素もあるので検討する必要はある。
嗜癖・中毒系で問題になるのは
仕事をしないで金を使ってしまい借金が膨らむということで、
ギャンブルでもアルコールでも、そんな問題がある。
ネットに熱中したからと言って
借金が出来てしまうというものでもない。
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ネット中毒にも二種類があって、
まず引きこもりがあり、引きこもって退屈なのでできることは何かと考えたらネットがあったというケース。引きこもりの生活の中で、お金もかからず人に迷惑もかけない楽しみということで選んでいるようで、ある種の良識がある。
もうひとつはネットでいろいろやっていたらはまってしまい、引きこもりになったというケース。
つまり、ネット中毒と引きこもりとどちらが先立ったかという話で、
引きこもりが先だったら、まずそちらの手当てをしないといけない。
これは少し話したくらいで治るものでもない。
さきにネット中毒があって引きこもりになったのなら、
それはいけないねえと話をすれば何とかなるようだ。
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チャット中毒の人の中には
現実の人間よりもネット上のチャット仲間に強く惹かれてしまう人もいる。
現実の関係では満たされないものをチャットの中の人物に求めているというケースもあり、
心の中の空想をチャットの相手に投影している場合もある。
いずれも現実の人間よりも魅力的な相手がネット空間にいるということになり、
取り残される現実のパートナーは落胆し、
その人が妄想的になったりうつになったりして、治療が必要になることもある。
たとえば、アイドルのA君についてのルームに行くと
自分はかなり年上でも、年を少しごまかして、わいわい話すことができる。
「いい年をしてやめなさい」という禁止が来ないのでいいらしい。
趣味の上での同好の士を見つけるにはネット世界は好適である。
その場合何が問題になるのかといえば、
取り残される側の問題が大きい。
独身者ならば、空き時間に誰かとチャットしていても、特に問題はない。
経済的な問題がなければ。
ところが現実のパートナーや家族がいる場合、
家に帰ってきてろくに口もきかずパソコンに向かってしまい、
現実の家族よりも親密な誰かがいるような気配になってくると
むしろそちらで話がこじれてくる。
特に話がないから話をしないだけのことなのだろうが、
パートナーは、ネットの中の嘘つきと話に夢中になっているから私のことが嫌いになったと
受け取るらしい。
ここでパートナーの側の病理が発展してしまい、
妄想的になることが多い。
そうするとそのように妄想的になった人にまともに付き合っていても看病するだけのことになるのでますますつまらなくなり、
ネット世界はますます魅力的になる。
このようにして悪循環が成立してしまう。
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