0.パソコン通信の時代と JUNET の時代
パソコン通信は最初から匿名の世界のまま終わることができた。
JUNET は実名の世界で、お互いを顔を確認でき、接続するための技術がないと、接続できなかった。
インターネットについては、米国の DARPA が、大規模な核戦争が起こった場合の、生存状況を把握するための研究が起源である。
1993年のWIDE と PC-VAN の相互接続実験から、インターネットがパソコン通信同様に、匿名の世界に変質していった。匿名が主になると、現実の世界と仮想世界との区別が曖昧になりやすい。人間に内在する一部の傾向を拡大する。
匿名社会は人格障害者の格好のすみかになる。
常識的な態度を装って障害を隠すことも多い。
とんでもないようにみえるメッセージを書く人と会ってみると、常識的な人ということがよくある。
対策の基本としては、実名の世界か匿名の世界かを見抜き、
仮想世界と現実世界を混同しないことである。
その後はインターネット中毒が社会問題になっていて、それに関する文献も多く出ている。
1.ネット社会の歴史と現状
Win95とブロードバンド(世界の拡大、グローバル化)
オンラインゲームとチャット(強烈な吸引力、リテラシーの必要、裏サイト、アダルトサイト、出会い系サイト)
情報ハイウェイ(将棋と翻訳)
2.ネット社会と情報化社会の中でどのような人格傾向が適応的か
一時的で仮の人格
自己愛性
シゾイド
逃避型
少子化が王子様を生んでいる⇒脆い自己愛⇒自己愛型うつ病 とでもいうべきもの
ネットがレバレッジになっている 促進的に働く
現実は訂正的に働く
3.現実不適応とネット社会
一時的で部分的なアイデンティティ確保が容易になった
それは逃げ場である
安易な退却の場
4.子育ての現場
子どもの場合のゲーム脳
子供の心の育成 クリエイト リクリエイト
小児科会からの提言
5.現代的な人格がうつになったときの病像……各人格がうつになったときの病像
自己愛⇒ディスチミア親和型うつ病 恐怖症、パニック症の病像をとることもある
境界型⇒抑うつ神経症
逃避型
メランコリー型
シゾイド型
未熟型 ⇒未熟型うつ病
⇒非定形うつ病
⇒逃避型うつ病
⇒退却神経症
⇒その他、各病型
自己不確実型⇒強迫性、統合失調症
6.
病理とネット
Mad ……MAタイプははまりやすい
time delay ……仮想と現実……なにを取り込めばいいのか分からなくなる
msdは仕方なくネットに退却する
現実生活では適応不全だがネット世界ではスーパーマンだとしたらどう考えるか
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メディアの中で何を学ぶか、性差がある。女性は痩せ願望を学び、男性は性暴力を学ぶ。
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匿名性の問題。
村落と都会の違いは、匿名性である。
ネット社会でも匿名性に類似したことが都会では起こっていて、
問題が指摘されてきたが、それがむしろ都会の利点である。
ネット社会での匿名性も、利点があるのであって、その点は意識すべきである。
ネット社会といいつつ、結局は大半は企業のカタログ展示場である。
個人が発信したとしても、企業広告の中に埋もれてしまう。
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0.は専門的な話
メインストリームは
1.
現代的情報化社会・ネット社会の現状をまず描く。
2.
そこに生きる人々は自己愛型性格が適応的で全体の中での比率が大きくなっている。
しばしば過重労働型の職場に配属されて、過剰適応になり、疲弊する。
自己愛型性格者がうつになったとき特有の病像を呈する。(症例をひとつ)
ディスチミア親和型に近い。不安、恐怖があり、身体的愁訴が強い。
完全に治るというイメージとも少し違う。
適応障害と名付けるのが適切な場合も多い。
適応改善のためと予防のための提言をいくつか。
参照は
http://shinbashi-ssn.blog.so-net.ne.jp/2008-09-07
http://shinagawa-lunch.blog.so-net.ne.jp/2008-09-19-5
http://shinagawa-lunch.blog.so-net.ne.jp/2008-09-29