「ゲームは子供の社会性をはぐくむ」 米社会調査機関が報告書発表
2008.9.17 10:31
【ロサンゼルス=松尾理也】「やりかたしだいでは子供はテレビゲームによって社会性をはぐくむ」。テレビゲームに熱中しすぎると社会性のない大人に育つという俗説とは逆の調査結果が16日、米国の社会調査で定評のあるピュー・リサーチセンター(ワシントン)から発表された。
テレビゲームが子供に及ぼす影響は米国でもしばしば議論となっている。報告書は「ゲームに熱中することで、社会とのかかわりを持てない人格に育つのではないかとの心配を裏付けるようなデータは見あたらなかった」としている。
報告書によると、ゲームを「1人でプレーする」子供は24%と少数派で、ほとんどは友達と一緒に楽しんでいることがわかった。このうち63%がゲーム中に、友達が過度に攻撃的になった」という半面、78%が「そうした友達に注意した経験がある」と答え、必ずしも悪影響だけとはいえないことも浮かび上がった。
さらに、友達と一緒にゲームをする子供たちの64%が「なんらかの慈善事業に寄付したことがある」と答え、1人でゲームをする子供(55%)に比べて高い社会性を示した。
報告書は「体験学習は子供の社会性を高めると指摘されており、ゲームも内容次第で同様の効果が期待できる」と指摘している。
調査は全米の12~17歳の約1100人の子供とその保護者を対象に、ゲームが子供たちの社会生活に及ぼす影響について電話での聞き取り形式で行われた。