核実験の再開が必要という

オバマ新大統領は、現政権のロバート・ゲイツ国防長官を留任させる公算が高いと指摘されているが、そのゲイツは10月28日、カーネギー国際平和基金での講演で、中国、ロシア、イラン、北朝鮮などの脅威に対抗するため、米軍の核兵器を近代化せねばならず、1992年以来停止していた核実験の再開が必要だと述べた。

ブッシュ政権は、単に米国を攻撃しようとする国家だけでなく、大量破壊兵器の開発を構想(夢想)するだけの組織とその支援者に対しても、その組織が「テロリスト」であると米国が認定すれば、先制攻撃を加えるという、好戦性の大幅な拡大を行った。

 そしてゲイツは、現政権が終わり、次政権で留任するかもしれないというタイミングで、ブッシュ政権の拡大された好戦戦略が今後も維持されることを表明した。

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以上のような記事が配られているのだが、
核実験に関しては、米国が禁止を全員に強要できたのは理由があるといわれている。

一番の先進国である米国はデータをたくさん持っていて、
コンピュータによるシミュレーションも一番進んでいて、
当時、核実験を停止しても、米国だけはコンピュータ・シミュレーションによって
いろいろな実験が可能。しかし他国は不可能。
そのような状況で核実験停止を協定した。

たぶん今回のゲイツ氏の述べたことは、
実験そのものが必要なのではなくて、
実験して予算を消化することが軍産複合体にとって必要なのだろう。

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最近は米国だけでなく、ロシアも核実験の再開を希望している。米露の対立が再燃し、米政府が新兵器の開発に力を入れざるを得なくなり、軍事費が増加傾向を維持するのは、米政界で影響力を持っている軍産複合体が望む戦略だ。オバマも、選挙で勝つためには、米マスコミをも動かしている軍産複合体の要望を聞かざるを得なかったのだろう。

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ゲイツは、米国の「核の傘」にいる20カ国以上の国々に、米国の核兵器は古いので独自の核兵器を開発したいと思わせないようにするためにも、米国が核兵器の近代化を進めねばならないと述べたが、ゲイツが列挙した「核兵器を開発させたくない同盟国」の中には、韓国、台湾、ブラジルなどは入っていたものの、日本とドイツは入っていなかった。

 ゲイツは日独の名前を挙げなかった理由について何も語っていないが、意図的に日独を外したのだとすれば、その理由はおそらく、日独はもはや大国だし、第二次大戦で敵国だった状態が終わって60年以上も経っているのだから、もう米国の核の傘の下から出て、独自の核兵器を持っても良い、その代わり日独に駐留している米軍は、軍事費節約のために引き揚げる、という将来展望と関係している。

 ゲイツ演説と前後して、米共和党系のシンクタンクであるランド研究所が「米経済を不況から立て直すには、どこかの大国と戦争に入るしかない」と主張する提案書を、国防総省に提出したと、中国のマスコミで報じられた。中国側では、中国かロシア、もしくは下手をすると日本が、米国の敵として仕立てられるかもしれないと分析している。日本を米の核の傘から追い出し、日本が核開発を始めたら、脅威だと騒いで戦争を仕掛けるという話かもしれない。

最後の部分については、中国発信の話で現実性には欠けるとしている。

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いろんな憶測。
予算とポジションの確保。

難しいものだ。
若い人たちのこれからはますます難しい。