「後世の経済学者は、マルクスよりもゲゼルからより多くを学ぶであろう」ケインズ
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マルクスは、資本主義の問題点を、多くの個人企業家のかわりに、唯一の企業家・つまり国家を建てる事で解決できると考えました。マルクスの最大の誤りは、資本主義を変えようとしなかった事です。マルクスは国家に、資本主義をまかせようとしたのです。つまり、私たちは過去50年から70年の間、対立する双子を持っていたのです。つまり民間資本主義と国家資本主義であり、どちらも資本主義のシステムで、それ以外ではなかったのです。マルクスの大きな功績は、経済批判を可能にする概念自体を作り出した事にあります
この風景は、金融機能の暴走を国家がコントロールしようという現在の流れにつながります。
しかしそれは多分、国家という制約もあり、そもそも資本主義の制約もあり、
難しいと考えられています。
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エンデ「私が作家として、この点で出来る事は、子孫達が、同じ過ちを犯す事がないよう考えたり、新たな観念を生み出す事です。そうすれば、この社会は、否応なく変わるでしょう。世界は必ずしも滅亡するわけではありません 人々は、お金は変えられないと考えていますが、そうではありません。お金は変えられます。人間が作ったのですから」
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エコロジー建築家マルグリット・ケネディさん
「エンデの金利ともインフレとも無縁な貨幣」の著者である。建築家でもある
環境を損ねない建築が、コストの壁にいつもぶつかる経験を重ねて来ました
全てがお金によって支配されている実感を持ち、お金のシステムの問題を考えるようになりました。利子は未来へ問題を先送りしています。このまま利子が膨れあがって行くとしたら計算上、遅かれ早かれ、大体二世代後に経済的な破滅か地球環境の崩壊かのいずれかへ突き当たります。それが根本問題です
信じる信じないの問題では無く、誰でもコンピューターがあれば計算出来る事です。このシステムから利益を得ているのは、ほんの一握りです。今のアメリカでは、人口の1%が、その外の99%よりも多くを所有しています。つまり一方でどんどん貧しくなる国があり、自然環境も奪われ続けています
(ここの事実関係はよく分からない)
その一方で少数の者達が、法外な利益を吸い上げて行く、それが今の経済システムです
今時代を超えてさまざまに生み出された解決策としての、例えば旧社会主義体制であるとか、あるいは資本主義社会における市場競争原理至上主義のどちらもが、時代的な行き詰まり、閉塞状況に来ており、社会全体が停滞の中に巻き込まれ、閉じ込められてしまっている。こう言う時代から、活路を開く、何とか新しい道を選択する必要がある。その場合にこれまで見た来た実験を見つめ直す広い視点・取組の姿勢が、今私たちに求められている
(確かにそうだと思う)
労働の対価に関し、100の労働に対し、100の対価をきちんと得る事が出来る、つまり報酬と言うものと、捧げた労働・費やされた労働が等価であると言う事になり、貨幣として最も重要な機能を取り戻したと言い得る
(ゲゼル方式がそうなのかについては疑問がある。問いは正しいが答えは正解ではないと思う。価値を何で計るかが問題で、時間や能力で測ることもできないし、結局貨幣を使って、受け取る側と支払う側で合意ができた価格、つまり市場価格で取引される。これが正しい答えでないことは分かるのだが、それ以外に合理的らしく見える取引があるかどうか。)
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交換リングは、お金は発行していません。お金の換わりに会員同士が、通帳を持ち、物や仕事を交換する度に、その値段を決めて料金を記入するシステムになっています。この日は、作業代として15デーマークを支払うことで商談が成立しました。クリスティーネさんは、通帳の支払いの欄に15と書き込み、これまでのトータルから差し引きます。木工所の通帳には、プラス15と書き込みます。最後に互いに確認のサインをします。デーマークには、利子は付きません。コミュニィティの中の物や労働の交換は、全体としては、常にプラスマイナスがゼロになる仕組みです
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今日のシステムの犠牲者は、第三世界の人々と、自然にほかなりません。このシステムが、自ら機能するために、今後もそれらの人々と自然は、容赦なく搾取され続けるでしょう。このシステムは消費し、成長し続けなければ、機能しないのですから。成長は無からくるのではなく、どこかが、その犠牲になっているからです。