春の夜のこころにすこしかかるもの

春の夜の
こころにすこしかかるもの

ひとすぢ残る黒髪か
忘すらるる身のいとしさか

長き黒髪かき抱き
果てて眠れば夜も切れて

夢にうつつにまさぐるは
ほのかに甘き壷の香り

味わえば薄き水蜜いとも麗し 
おびただしくおもてを伝ふ

春の夜のいとも懐かしき
景色なり

いともけだるし黄金週間