市場がどちらの方向にも極端に振れやすいポジティブフィードバック

景気浮揚策としていろいろ言われているが、どれも全くナンセンスだ。
景気と心理が不可分なのは当然だが、株式市場の上昇が購買心理を上昇させ景気がよくなり、反対に株式市場が下がって、資産が目減りすれば購買意欲は減退し景気は後退する。
これは、どちらもポジティブフィードバック関係にあり、株上昇→景気上昇→株上昇となり、株下落→景気下落→株下落となる。これは当たり前の話だが、市場がどちらの方向にも極端に振れやすいことを意味する。

今、景気なるものを良くしようとすれば、株の上昇トレンドによる資産回復しかない。
数万円の税金の還付など巨大な負の資産効果に対しては全く効果がない。
つまり、景気=boomとは、常に資産効果に連動したものであり、どのような製品がイノベーションによって市場に出てくるかとは関係がない。画期的な製品が生まれようとも、資産が半分以下になったら、普通購買意欲が無くなるのが人間心理というものだ。そして、全員の資産が平均的に半分になれば、お金の価値=購買力は上昇し、物価は下落する。そしてさらに給与収入は減る。
#プラスにもマイナスにもどちらの方向にも加速する市場の性格というのは、ソロスの観察とも合っているのではないか?

特にアメリカのように401kで、個人資産の半分以上が株式で運用されている場合、株式市場が与える資産効果は絶大だ。日本の場合は、土地バブルによる資産効果により景気が上がったのが80年代末のバブルだった。
その後マイナスの資産効果と0金利によるキャッシュフロー減少によって、長期不況が実現した。
もし景気なるものをよくしたいのであれば名目的なものでも個人のキャッシュフローが増える必要がある。資産が回復するのはこの後だ。そして、これを実現するベストの方法が所得税の超大型減税だ。(例えば、一律所得税を半分にするといった減税をするのである)

減税によるキャッシュフローの向上が最も効率的な景気浮揚策となるのは間違いない。
個人のキャッシュフローの向上が、消費とチャンスを増大させるからだ。
あまりにも多くの金を政府は個人から略奪し蕩尽している。
政府が増税によって個人所得を減らしながら公共投資による景気浮揚を考えているのがとんでもない大間違いであり、そこには消費者がいなくて生産者しかいない。チャンスがなく可能性もない。
愚かで高慢な政府がない知恵を絞るのではなく、役人が見下している個人や民間企業が様々な金の有効な使い方を考えることで、イノベーションが生まれる。
政府自身が、不況の受け皿とならなければならない。つまり、不景気になれば大型減税をして公務員の首を大量にきるという”ノーブレス オブリージュ”を公務員の法的義務とするべきである。
収入が減れば従業員の首を減らすというのは民間企業であれば当然のことだ。つまり社会の固定費を減らすのは政府が不況対策として当然にすべきことだ。
そもそも今の公務員にはリスクがないが、リスクのない職業などあってはならない。
またリスクのない職業の給与はボランティアと同じ、すなわち0であるのがふさわしい。