睡眠を少し浅く調整すると夢を見る
二晩続けて長い映画くらい疲れる夢を見た
その後も考えているので実質、その夢に費やす時間は結構長い。
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一つの夢ははっきりと既視感がある夢で
夢の中でも前半は既視の物語をなぞるように展開した。
後半は同じ物語がもう一度展開されて、
少しずつずれてゆくのだがどうしてそんな話になっているのかはよく分からない。
たぶん前の日の事とその次の日の事とで
反復されていることを知っている人が登場する人物の半分くらいだと思う
結局既視感の分と合わせて、三つの時間の流れがあるようだった
海の表面から何かが立ち上るまたは発射されていて
それをよけるようにして無数の飛行機が飛んでいる
爆撃機のようなもの
それらがトリッキーな動きでその何かの物体をよけて飛んでいる
要するにジグザグに飛んでいる
ああ最近はこんな風だよねと言い合って納得したり
船に乗っていると巨大な魚が後ろを泳いでいる
すごいねと見ていると何万年も生きているもので魚ではないと説明してくれた
赤い色をしたもので表面はぬるぬるしていた
形は魚だけれどかなり巨大でゆっくり泳いでいた
箱根みたいな山の上の別荘地を訪れて
私は誰かに紹介される予定だ
その紹介の手はずが昨日と今日で反復されているようだった
同じ人が同じ衣装で出て来るのだが
少しずつ話がずれていって私を驚かせる
昨日はただの紹介人だった人が今日は誘惑的である
誘惑を達成してしまった後のけだるいみだらさを放散している
昨日は三人で乗った車に今日は四人で乗っている
増えた一人はどうしてかと思い
その理由を私は知っていると思う
最終的に私に紹介されるはずの人は
紹介されたことにして、その後の企みに協力して欲しいとか言い出している
お正月のような訪問着を着ている
ため息をつきながら
二人きりになっている
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一つの夢は大学の教授室だ
その人は退官後、臨時雇いで仕事をしていたが今日が最後の日らしい
留学生がいてパキスタンとかで明治時代のような書類に印鑑をもらっている
ナンを二つ合わせたような物の間に油を少しだけはさんであるらしい
メモがあって、食べてください、油は上等です、と書いてある
そう書いてあると一体どんな物なのかとても怪しいのだが
食べた
味気ないような気がした
石畳の坂道があって
窓が見えているのは建物の二階部分くらいに作られた食堂のような部分で猥雑だ
何か話している
女が荷物を片付けていて事件は進行するが
驚いているだけまたは感慨にふけるだけで
有効な対処ができないでいる
石畳の感覚が残っている
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短夜や夢も現も同じこと
高浜虚子