堀田善衞「ゴヤ」(4)

・アルバ公爵夫人
 その無邪気さで人を傷つける。
 しかし若くして死ぬ。

・人生の栄華の一瞬、一日、誰にもそれがあるものだ
 しかし確かに思い出す栄華の一瞬もないとしたらどうしたものだろう
 自分の人生の、ああ、これが絶頂の一瞬かとおもうとき、下降の感覚が始まる。それがつらい。
 いつまでも、さらなる絶頂を夢みたいのだ。

・耳が聞こえないままで生きる人生
 ゴヤは47歳で音を失う。
 余計なことを聞かないですむ利点もあるというものだ

 極端に視力が悪い私も似たようなものかもしれない。